はじめに
小学一年生の息子は発達マイノリティーです。
独特の発達をしていて、発達検査の数値は凸凹。
ウィスクⅣで凸凹は約40あり、得意な事と不得意な事の差が激しいです。
診断名としては自閉症スペクトラムですが、アスペルガーと言った方が伝わりやすいでしょう。(今はアスペルガーという診断はしないみたいです)
発達性協調運動障害、ADHD、構音障害とも診断されています。
そんな息子が最近成長を見せており、そのことについて詳しく書いていきます。
人とのコミニュケーションが下手だった幼少期
息子はいわゆるアスペルガーです
私自身はこの呼び方は偏見が強いためあまり好きではありません。
発達マイノリティーと書きたいのですが、それだと読者の方にうまく伝わらないのでアスペルガーと書きます。
自己中心的でプライドが高い
息子は小さい頃、人の思いやる部分の育ちが遅かったです。
はっきり言うと自分勝手で自己中心的、あまりにもひどい!と思うことが多々あり育児が苦しかったです。
プライドは高く失敗が嫌いで、出来ないことは多いのに失敗すると泣きわめく子でした。
けれど知的には高かったため理想だけ高く、やりたいことの標準も高く、よくギャーギャーしていました。
周りの同年齢の子どもと比べると、息子は母親の顔を見る事が少なく、相手の反応によって自分の行動を変化させることがなかったように思います。
そのため私が悲しんでいても怒っていても自分がやりたいことをする!!という頑固者に見えていました。(さすがに私が怒ると泣くことはありましたが)
具体的な例を挙げると、2歳の頃に公園で知らない小学生のお兄さんたちのサッカーに混ざろうとして私が何度も止めても全く聞かず。
ボールが息子の方に飛んできたときにボールをお兄さんたちに返さず息子が蹴り始めたので、返すように言っても聞きませんでした。
お兄さんたちが迷惑そうだったので私がボールを返すと息子は泣きわめき、なだめても無理だったので抱っこして強制的に連れて帰ると自傷して大暴れして抵抗しました。
息子は自分の能力を考えることなく遊びたいと思ったら飛び込んでいく子でした。
母親の声はあまり届かない子でした。
自他の区別がついていない
また、他人の気持ちにはとても鈍感なのに「僕の考えている事は周りに伝わっている」と思っているような行動をとる子でした。
つまり、自他の区別が出来ていない子でした。
そのため私が落ち込んだり悲しんだ様子でも息子は平然としているのに、息子が嫌な事があると私に伝えてこないのに「分かって当然」「分かってるでしょ」という態度で横柄に振る舞ったり私に八つ当たりしてきました。
これらのことは2~3歳の様子です。
「そのくらいの年齢ではそこまで考えていない」「考えすぎ」と周りのママ友には言われましたが、息子の場合は凸凹がひどかったため、発達専門の医師から「脳は大人で、子どもの着ぐるみを着ているような感じ」と説明を受け納得した覚えがあります。
確かに当時、脳は大人かと思う時があったのですが、ある部分では年齢以上に幼かったので、より自己中心的で完璧主義で思いやりに欠けるという印象が強かったです。
母親を思いやる様子がない
低年齢だと思いやる心が育ってなくても普通ではないかと思われるかもしれませんが、定型児(一般的な発達をしている子供)を見ていると2歳でも母親に優しくする子は多いです。
特に大好きな母親に対しては、好かれようと良い顔をしたり、甘えたりしています。
しかし息子にはその様子はありませんでした。
息子の行動は「自分がやりたいことをする!」が基本だったため、よほど母親が泣きわめいていないと気にしませんでした。
私が2人目を妊娠し流産した時に、耐えきれず息子の前で大泣きしてしまったときは珍しく背中をトントンしてくれました。
珍しい行動だったためよく覚えています。
そのくらい息子から優しくされた記憶は少ないです。
今の息子の様子~結果と対策~
環境が合えば適応できる
合わない環境だと今でも家で自傷やパニックを起こしてしまいますが、合う環境だと問題がなく集団行動の場合は周りの子供と同じようにできます。
周りが見えるようになってきた
年齢的な部分もありますが、恥ずかしいという気持ちが芽生えて自分を抑えられることが増えました。
ただ発達が凸凹な子なので、年齢が上がると必ず恥ずかしいと感じる部分が成長したかと問われると何とも言えないのです。
やはり息子に合った環境ですくすく育てられた幼稚園時代に発達を促してもらえたと感じます。
園時代に園の先生がとても良かったことや、療育や訓練もたくさん受けられたことは大きかったです。
失敗に耐えること
少しずつですが、幼い頃から受けていた療育の効果を感じるようになりました。
療育や幼稚園で先生方の対応が良かったので、失敗したときの落ち込み方が緩やかになりました。
家での対策は失敗はよくあることだし、失敗して当たり前、失敗は成功のもとであることを何度も何度も教えました。
「失敗は成功のもと」などの昔からあることわざを教えることは有効でした。(自分だけに向けられたものじゃない一般的な言葉や映像、本の方が素直に入りやすい)
息子は失敗したら「自分だけが失敗した!」「自分はダメな子!」と思う傾向があります。
そのため「みんな失敗する」「失敗してもダメな子じゃない」と根気強く伝えるのが効果がありました。
ただその子その子で有効な対策は違うと思います。
なぜパニックになっているのか、自傷をしているのか、子供はどう感じてそうなっているのかをよく観察していくと分かることがあるのではないかと思います。
余談 環境の大切さ
けれど、学校の先生が失敗を許さない・失敗したらその部分を責めたりする先生や先生の信念がなくブレブレな先生だと途端に息子の状態が悪くなりました。
合う環境(先生やクラスメイト含む)に身を置くというのは非常に大きいと思います。
小1の今は、学校の担任が厳しく息子が不適応を起こしかけています。
担任が絶対で、担任の言うことが担任の気分によってブレるので息子は不安が強くなってしまいました。
こんなことは子どもに教えたくありませんでしたが、自分から気付くことが苦手な息子なので、学校の先生にもいろんな人がいる事を教えている最中です。
先生の都合によって言うことが変わる先生も残念ながらいて、そういう人が担任になった場合はもう、出来るだけ目立たず関わらないようにしてスルーするしかないです。
↑本当はあと2・3年後に教えたかったことですが^^;
(2020年1月15日追記:当時、管理職との話し合いまでしましたが、この担任は最後までめちゃくちゃでした。私はあらゆるところに相談し、時は相談機関や医師が学校に来てくれて学校と話してくれました。次年度には担任は別の小学校に異動し、とても良い先生が息子の担任になり息子が落ち着きました。)
自他の区別
3歳くらいから息子が自他の区別がついていないことに気付き、無理難題を母親に求めてくることにどう対処したら良いか頭を悩ませていました。
私がした対策は、「あなたと私は別の人で、別の心があるのよ。だから言葉で言ってくれないと分からない。」と言い続けること。
最初はキョトンとしていましたが、説明もなしに母親に結果を求めてきたときなどに毎回伝えていると、何年もかかって今は理解しているようです。
むしろ息子の方から「お母さん、僕とお母さんは別だから、それじゃ分からないよ。別だから。」と言われることもあります。
母親を思いやるようになった
息子が幼いときは気づきませんでしたが、元々優しい子だったんだと思います。
ただその優しさが自分基準だったために全く報われなかった息子。
今考えたら切ないです。
息子が診断された後から主治医に指導していただいたり、アスペルガーの本を読んだりして、事細かに伝えることが息子には良いのではないかと考えました。
特に主治医に言われたことで「発達障害の子達は何をしたらよいのか分からない。その引き出しを一つ一つ作ってやらないといけない」という言葉は大変納得しました。
ただ不安になったのが「すべてのパターンを教えないといけないんですか?」ということ。
例えば『泣いている人に優しくする』くらいの事なら教えてあげられます。
でも『泣いている原因』と『優しくする』が具体的に分からないから、『転んで泣いている人には大丈夫?と声をかける』も教えてあげられるけど、息子の場合は『じゃあ滑って泣いている人にはどうしたら良いの?』となるわけです^^;
『嫌な事を言われて泣いている人には?』『注意されて泣いている人は?』とか。
『転んだけど泣いていない人は?』とか。
すべてのパターンを教えられないからどうしたら良いのかと思い主治医に聞くと、
「息子さんは知的に高いからある程度のパターンが分かれば応用できるようになります。まずは引き出しをたくさん埋める事」
と言われました。(息子は特に知的に高い訳ではなく発達検査で平均値は100くらいで標準です)
あれは3歳くらいだったので、約4年間、息子の引き出しを増やすべく、事細かにどうすれば良いかを伝えてきました。
息子からは「じゃあこの場合は?」と質問攻めにされる時もありましたが、難しい場合も精一杯考え時には一緒に考えて話し合ってきました。
すると、今では本当に自分の経験や教えられたことから応用して対応するようになりました…!!
例えば私に対しては、台所で鍋の蓋など落として大きな音を立てた時は「大丈夫?」と言いに来てくれます。(これは教えたことです。)
私が大失敗して落ち込んでいる時も「どうしたの?」と心配してくれて、「こんな失敗しちゃったんだ~」と話すと「大丈夫!失敗は誰にでもあるよ!大丈夫^^」と励ましてくれました。(これは私が息子にかけていた言葉です)
普通に元気づけられましたし、嬉しかったです。
友達に関しては、すでに持っている物と同じものを友達からプレゼントされたときに『持ってるよ!』と言うかと思っていましたが「ありがとう」と言ってニコニコしていました。
後で聞くと「だってそんなこと言われたら嫌な気持ちになるでしょ?」と息子が言い、とても驚きました。
いつの間にか相手の気持ちを考える事が出来るようになっていて、何年も伝え続けて良かったと報われた思いです。
まだまだ経験が少ない子供なので、これからも引き出しを作っていかないといけませんが、効果はあると感じています。
一回言えば入る子ではないので何度も何度も伝えるのは大変ですが、4年続けた今やっていて良かったと思っています。
親の言葉を真似する
息子が小さい頃から、言葉には気を付けていました。
息子を可愛いと思えない日も、夜には「大好き」「かわいい」「お母さんの宝物」「生まれてきてくれてありがとう」と言葉をかけました。
言葉を口にすることでそう思える日もありました。
息子を怒ってしまう日もありましたが、私の言い方がきつくなったり感情的に怒ってしまったときは出来るだけすぐに「今のはお母さん言いすぎたわ。ごめんね」と謝るようにしました。
子育てって誰でもできる簡単な事だと思っていた独身時代の自分を叱りたいくらい、育児は大変です。
幼く不出来な自分を感じ辛い時も多々あります。
でもなんとか子供には良い言葉かけを心掛けていたら、1年ほど前から息子が私の言葉を使うようになりました。
「お母さんは世界一かわいいよ」と頭ボサボサでノーメイクのアラフォーの私に言ってくれます(笑)
「お母さんがだーーーいすき」と抱き付いて甘えてくれるようになりました。
辛い日も言いたくない日も、毎日言い続けて良かったです。
まだまだ課題は多い息子ですが何とか頑張れているのは息子が可愛いからです。
そう思えるようになって一番救われているのは私です。
子どもに良い言葉をかけることは、きっと親に返ってくると思います。
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