はじめに
息子が4歳の頃に他県へ引っ越したので、息子が通った療育は3か所です。
それぞれどんなところだったか、都道府県によって、療育によって違いがあるのかを書いていきます。
支援が進んでいたA県の療育
A県にあった療育Aは、高機能(発達検査の結果が75以上で知的障害がないとされる)専門の療育でした。
息子が通い始めた当初は、診断を受けていない子どもばかりでした。
A県は支援が進んでおり診断を受けていない子も療育に通えました。
高機能専門の療育というのも珍しかったと思います。
多動な子、すぐに手が出る子、テンションの上がり下がりが激しい子、極端に反応が薄い子、など子供たちのタイプは両極端でした。
息子は2歳から4歳まで療育Aへ通いました。
年長さんは特定の曜日の午後に集められ、就学に向けたプログラムをしていました。
低年齢の子達は週1回、午前中2時間ほどをそこで過ごしました。
子供は4~5人ほどの小集団です。
親は朝の会と終わりの会だけ子供たちと同じ部屋で過ごしますが、そのほかは別室で子どもたちが遊んでる様子が映ったモニターを見て過ごします。
親同士が話し合ったり、無言でモニターを見つめていました。(打ち解けてくると話すことが多かったです)
朝の会では出席カードにシールを貼り、始まりの歌をみんなで歌います。
決められた遊び(簡単な工作や色塗り、めいろなど)をして、出来た子から自由遊びをしました。
そこは今思えば大変手厚いところで、子供1人に先生が1人ついてくれました。
1対1で子どもと遊んでくれたり、子供たちが関わりを持ち始めたら適切なやり方を教えてくれました。
例えば勝手に物を奪ってしまう子がいたらその子についていた先生が「貸してね、って言うよ」と促してくれたり、遊びに入れてほしそうな時は「いれて、って言おうね」と子供に教えてくれました。
こういう子達は自分だけではどうしても学びが難しい場合があります。
その場合は療育Aの先生のように、適切なやり方を具体的な例を挙げて教えること効果があります。
大きなお部屋とは別に、子供たちが自由に使える小さな個室がいくつかありました。
他からの刺激を受けたくない子が避難できるようになっていました。
息子も一時期、刺激の多いお友達から避けるために個室にこもる時期がありました。
幼稚園や保育園、子ども園ではできない個別の対応をしてもらえたことはとてもありがたかったです。
支援が遅れているB県
療育B
B県の療育Bには、2歳から6歳までの子が通っていました。
子供が10人ほどで先生が3・4人いました。
そこに入ったばかりの頃は、発達の程度でクラスを分けることはありませんでしたが、2年目からは言葉がある程度出ている子に向けた教室(療育C)が新設されました。
療育Bでは様々な子供がおり、息子のように知的障害はないけれど情緒的な問題がある子供は少なかったです。
A県では診断がなくても療育に通えましたが、B県では療育に通うためには診断が必要な地域のため息子のようなタイプの子は療育に通っていませんでした。
どのようなお子さんだったら療育に通うかは地域性が大きいようです。
療育Bには全体的な発達がゆっくりな子供が多く、のんびりした雰囲気でした。
朝から昼過ぎの4時間ほどを過ごし、給食も出ました。
日数は受給者証の日数内であれば希望することができます。
息子は月12日ほど行っていました。
親とは完全に分離で、朝に子供を送りに来て昼過ぎに迎えに行く形でした。
過ごし方は朝の会、自由遊び、給食、自由遊び、帰りの会、と療育Aとほぼ同じでした。
ただ先生の数は療育Aに比べると少なく、子供3人に対して先生が1人の割合でした。
療育ではこのくらいの人数が一般的だそうです。
幼稚園や保育園子ども園では子供15~30人に対し先生が1人なので、それに比べるととても手厚いです。
療育C
療育Cは言葉が出ている子が就学に向けて訓練する教室で週1回4時間ほどありました。
主に言葉が出ている子供が対象で、療育Bよりも椅子に座って活動する時間が長く、より就学を意識したトレーニングをしていました。
言葉が出ている子供が対象ということで、まだ奇声を上げている子もいれば言葉を流ちょうに話す子もいました。
課題は紐通しやパズルなど、手先の訓練ができたり、手を挙げて発表したりする訓練がありました。
息子は手先が不器用なので手先の訓練は非常にありがたかったです。
療育と幼稚園・保育園・子ども園は何が違うの?
どの療育にも言える事でしたが、基本的に設定保育は一般的な園の保育と大きく変わらないように見えます。
けれど療育では子供の発達に合った遊びをしてくれていたり、子供の自己肯定感を大切にする言葉かけをしてくれました。
厳しい園では叱られたり怒られたりが日常茶飯事ですが、療育で怒られることはほとんどありませんでした。
叱られることが極端に苦手な子供、自己肯定感が低い子供は療育に通うと伸びると思います。
あとは小集団で先生の人数が多いので手厚く見てもらえました。
大きな集団ではあまり目立たず一人で困っているタイプの子供でも困った時にすぐ助けてもらえる環境にあります。
困った時に大人に助けを求めても無視されるような環境では、子供は「大人に頼っても助けてもらえない」と誤学習し、大人に頼ることをやめてしまいます。
発達が遅くても早くても、障害があろうとなかろうと、年齢が上がっていくと大抵の子は何かしらの問題に直面します。
その時にすぐ大人に相談できる子は、問題が大きくなる前に大人が介入できるので小さな問題のうちにすぐ解決することができます。
しかし「大人に頼っても意味がない」「大人は助けてくれない」「大人に言ったら怒られる」と誤学習してしまっている子供は問題が大きくなって取り返しがつかない事態になるまで言いません。
低年齢のうちにしっかり大人との信頼関係を築くことが、小学生以降の安定を支えることになります。
まとめ
療育は地域によって変わります。
特に通える子供の範囲が全然違うと感じます。
B県ではADHDのみのお子さんで療育に通っている話は聞きませんが、支援が進んでいるA県ではADHDのみのお子さんも療育に来ていました。
ただ療育はだいたいどこの地域でも就学までです。
就学と同時に療育を受けられなくなるところが多く、OTなども就学を目安に終わるところがあります。
支援が進んでいるA県は、就学前の支援は手厚いのですが、就学後は「何も支援がない。誰にも相談していない。このままで良いのか」と親御さんが不安がっていたのを覚えています。
今息子は放課後デイサービスに行っていますが、園児の時に通っていた療育とは違います。
息子と私は療育の先生方には本当に助けてもらいそのおかげでとても成長したので、通って良かったです。
子供の発達に気がかりがある場合、どうしたらよいのか悩みますよね。
診断がなくても療育に通える地域であればリスクが少ないので、就学までの間は通ってみた方が良いかもしれません。
低年齢であればあるほど効果が出やすいので早めに療育を受けられると安心ですね。
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