普通級か、支援級か、支援学校か。~我が家の進路の決め方~①

発達
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はじめに

小学一年生の息子は特別支援学級の情緒級に在籍しています。

自閉症スペクトラム、ADHD、発達性協調運動障害と診断済み。

小さい頃から療育や訓練、専門家へ相談、親へのアドバイスを受けていたからか、とても成長して幼稚園年長さんの頃には「他の子とどこが違うの?」というくらい成長しました。(便宜上診断名で書いていますが、当サイトでは障害ではなく発達マイノリティーと主張しています)

そのため、進路はとても迷いました。

進路についての我が家の考え方、主治医や療育の先生のお話を書いていきます。

あくまで私の身の回りのお話ですので、参考程度に読んでくださいね。

進路の決め方だけを読みたい方は、目次から「我が家の進路の決め方」へ進んでください。

普通級(通常級)と支援級と通級と支援学校の違い

普通級(通常級)とは

「普通級」とは、「1年1組」のような、40人以下(1年生は35人以下)の大人数で構成される集団のことです。

 

他にも「通常級」「普通学級」「通常学級」と言われることがあり、どれも「普通級」と同じ意味です。

少なくとも保護者と先生間では使い分けてません。

私の周りでは「普通級」と言う方が多いです。

文部科学省のHPをざっと見ると「通常の学級」と書かれていました。

いろんな言い方があるようです。

 

支援級とは

支援級とは、特別支援学級の事です。

特別支援学級(とくべつしえんがっきゅう)は、小学校(軽度·中度別のみ)、中学校、義務教育学校、高等学校および中等教育学校に、教育上特別な支援を必要とする児童および生徒のために置かれた学級である。略して、「特学」と称する。かつては特殊学級と呼ばれていたが、2006年に名称が変更された。特殊学級も「特学」と略していた。学校教育法(昭和22年法律第26号)の第81条に規定があり、これに基づいた学級のため、81条学級ということもある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

私の周りでは「支援級」と呼ぶことが多いです。

支援級は地域の小学校の中にあります。

地域によって違いますがたとえば「なかよし組」のように何年何組ではなく独自の呼び方があります。

 

普通級が1クラス最大で40人に対し、支援級は8人です。

最大8人なのでそれ以下でもクラスは成立します。

例えば、生徒が4人で担任が1人という場合もあります。

支援級の生徒が16人いたとして、2クラスの場合もあれば、3クラスの場合もあります。

必ずしも8人につき担任1人ではないようです。

学年はバラバラなので、1クラスに1年生から6年生までが在籍します。

(例:なかよし学級の知的クラス①は1年から3年の4人

知的クラス②は4年から6年の7人

情緒クラス①は2年から6年の5人

計3クラスというような。)

 

地域によって支援級のあり方はかなり違います。

支援級のクラスに椅子と机があり朝からずっと支援級で過ごす地域もあれば、多くの時間を普通級で過ごし国語や算数といった特別な配慮が必要な科目だけ支援級の教室へ行き指導を受ける地域もあります。

支援級在籍なのに同じクラスの生徒や保護者が気づかないくらい普通級で皆と一緒に過ごすことを「隠れ支援級」と呼びます。

隠れ支援級が出来ない地域もあります。

住んでいる地域がどのような支援体制かは教育委員会や就学予定の小学校に聞いた方が良いです。

 

息子の場合

息子の学校は隠れ支援級は出来ない地域で、ほぼ支援級のクラスで過ごします。

たまに「交流」と言って普通級の決まったクラスに出張のように出かけます。

最初は朝の会だけ参加して、少しずつ教科を増やしてもらっているところです。

支援級在籍の子供の交流先のクラスを「交流級」と呼んでいます。

 

情緒クラスと知的クラスの違い

情緒クラスは、知的な遅れがないクラスなので、普通級と同じ進度で学習が進みます。

テストも普通級と同じものを受けます。

息子の情緒級だと、4学年が同じクラスにいるので、先生が順番に生徒の机を回り教えています。

順番が回ってくるまではプリント学習や書き取りをして待ちます。

普通級のようにみんなで先生の話を聞いたり、誰かの発表を聞く機会は少ないです。

 

知的クラスは、息子の小学校では、1クラスは3年生~6年生が皆で同じ授業を受け、もう1クラスは1年生~6年生個別で情緒クラスのスタイルで受けています。

学年相当の学習にはとらわれずに、各々のペースで学習が進みます。

 

通級とは

通級とは通級指導教室のことです。

通級による指導(つうきゅうによるしどう)とは、日本の義務教育における特別支援教育の制度の一つで、通常の学級に在籍していながら個別的な特別支援教育を受けることの出来る制度である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

要は、普通級に在籍しながら特別支援教育を受けることができるということです。

 

通級指導教室は決まった学校にしかありません。

通級の説明会で聞いた話によると私が住んでいる地域には、情緒クラスと言語クラス、学習障害クラスがありました。(他にもあったかもしれませんが息子に関係しそうなのはこの三つでした)

基本的には決まった曜日の決まった時間に小学校を抜けて、通級指導教室がある小学校へ行き指導を受けてまた自分の小学校に戻ってきます。

送り迎えは保護者がします。(他校通級と呼びます)

自分の小学校に通級がある場合は送り迎えは不要です。(自校通級と呼びます)

 

支援級に在籍している生徒は、通級には通えません。

なお、うちの地域では通級に通えるかは入学後に決まるそうです。

親が希望しても通えない場合もあります。

時間もあまり多くは取れないようです。

高学年は学習が難しくなってくるので優先して出来る限り放課後の時間にしてもらえるようですが、低学年は平日の授業中になると言われました。

なお内容は、子供の課題について様々だそうです。

息子の場合だと情緒クラスになるので通級に行けた場合は、ソーシャルスキルを学ぶと教えられました。

ちなみに支援学級では日常的にソーシャルスキルを学ぶそうです。

通級の言語クラスになるとSTのようなことをすると聞きました。

 

以下はあくまで私の地域の話です。

今は通級希望者が多いらしく、通うには校長先生が「この生徒には通級指導が必要」と認定することが必要だそうです。(認定してもらえないと通えない)

通級の言語クラスは、未就学児の時に通うことばの教室経由で通いやすい(ことばの教室から通級に推薦してもらうことが出来る)のですが、情緒クラスは入学して問題を起こさないと通えないと言われました。

地域によって様々だと思いますが。

気になる方は地域の小学校や教育委員会に確認することをお勧めします。

 

支援学校とは

支援学校とは特別支援学校のことです。

特別支援学校(とくべつしえんがっこう)とは、障がい者等が「幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準じた教育を受けること」と「学習上または生活上の困難を克服し自立が図られること」を目的とした日本の学校である。

個別の学校名の末尾が盲学校(もうがっこう)・聾学校(ろうがっこう)・養護学校(ようごがっこう)[1]であるものもあるが、これらも学校教育法における特別支援学校である。なお、2007年3月31日以前は、盲学校・聾学校・養護学校(これらを包括して、特殊教育諸学校と称していた)は、特殊教育(現在の特別支援教育)を行う学校として個々の学校種として法令に規定されていたものの、2007年4月1日からは同一の学校種となった。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

まず支援学級との違いは、支援学級は地域の小学校内にあるのに対し、支援学校は小学校とは別の場所にある学校ということです。

知的に重度のお子さんが多いイメージですが、最近は知的に軽度なお子さんもいると聞いたことがあります。

 

教育大付属の支援学校に見学に行きましたが、印象はとても良かったです。

地域の支援学校よりも少人数なこともあってか、とても静かで、広々としていました。

生徒さんは先生の指示を守り、しっかりと授業(見学したのは体育)に取り組んでいました。

支援学校は体育が多いそうです。

それは自立したときに身体が資本になるからで、身体が丈夫な子にするためだそうです。

支援学校の説明会では「自立」という言葉がところどころ出てきました。

支援学校は自立に必要なことを身に着けていく学校でした。

例えば、身体を丈夫にすることもそうですし、仕事に遅刻しないように時間にはきっちりすることや、高等部では職業訓練もしていました。

自立を見据えた素晴らしいカリキュラムだと感じました。

なお支援学校の教員は全員が、特別支援学校教諭免許を持っておられます。

障害についての知識は全員が持っているということです。

とても心強いですね。

 

それぞれの違い

分かる範囲で書きます。

 

普通級      支援級        通級      支援学校(小学部)

人数   40人以下     8人以下       ?        6人以下※1

場所   地域の小学校   地域の小学校     別の小学校※2  支援学校

学習   学年相当     情緒:学年相当    課題に合わせる  ※3
(理科・社会あり)
知的:本人に合わせる
(理科・社会なし)

教員の  小学校教員免許  小学校教員免許    ?       小・中・高等学校または幼
資格                               の教員免許
特別支援学校教諭免許
※4

 

※1 文部科学大臣が定める障害を二以上併せ有する児童又は生徒で学級を編制する場合にあっては3人

※2 子供の通う小学校に通級指導教室がある場合は自校

※3 支援学校は知的障害を伴わない身体障害の学校もあるので一概には言えません。ただ私が見学したところは理科と社会はないと言っていました。

※4 特別支援学校の教員は、小学校・中学校・高等学校又は幼稚園の教員の免許状のほかに、特別支援学校の教員の免許状を取得することが原則となっています。

我が家の進路の決め方

前置きが長くなりましたが、我が家の進路の決め方を書きます。

 

動き始めた時期

幼稚園の年中さんから見学に行きました。

早い人は年少さんから行きます。

ハッキリ言って、年長さんから動き出すのはかなり遅いです^^;

早い人では年長の春に就学相談が始めるので、その頃には親の希望を固めておいた方が良いです。

診断を受ける時期などでその時期からしか動けない場合は仕方ありませんが、あらかじめ進路で迷うことが予想出来ている場合は早めに動きましょう。

進路を決めるのは、かなり時間がかかります・・・。

 

その頃は何をした?

・支援学校見学の申し込み

・支援学級見学の申し込み

・親の会に参加して情報収集

・療育のママ友や先輩ママさんからも情報収集

まずは年中さんになってすぐに園長先生に支援学校見学と支援学級見学をしたいと相談しました。

というのも、私の地域は園長先生から学校へ見学の申し込みをしてもらわなければ泣かなかったのです。

これを知らないと園長先生にご迷惑がかかってしまうので、あらかじめどういう流れで見学の申し込みをするのか確認は必要です。

遅い時期に急に園長先生にお願いするとご迷惑がかかってしまうので気を付けましょう。

とにかく情報収集しておくことが大事です!

雑談の中でもそれとなく希望を話して情報が回ってくるようにしましょう^^

 

親の会に参加して支援学校に通っているお子さんの話や、私立小学校に通っているお子さんの話を聞くことができました。

あくまで私が聞いた範囲の感想ですが、子供のありのままを受け入れて支援が多い方を選んだ親御さんの表情が明るかったです!

特に支援学校に通っているお子さんほど「学校大好き」「学校楽しい」と言っていました。

私も支援学校に入れたい!と思ったきっかけでしたね。(結果的に支援学級ですが)

 

私は井戸端会議やランチが好きなので、自然と療育のママ友と情報交換をしていました。

あとは療育の先生ですね。

とても良い児童発達支援の施設に通っていたので、そこの先生がよく話を聞いてくれました。

そこで言われたのが「息子君は支援学校がいいかもしれないね」という言葉。

でも当時の息子の新版K式(発達検査)の数値はたしか90くらい。

ざっとですが、普通級は90以上、支援級情緒も同じくらい、支援級知的は90までか80くらいまでという認識で、支援学校はもっと数値が下の子が通うところだと思っていました。

療育先生「いやいや、今は高機能(数値が75以上の子)もけっこういるんだよ。支援学校も多様化してる」

と聞いて、数値は平均値内だったものの特性が強かった息子に手を焼いていた私は、支援学校に入れられるものなら入れたい!と思いました。

 

支援学校と支援学級の見学が秋~冬にあり、やはり支援学校はとても良かったのです。

私が見に行ったのは教育大付属支援学校で、園の先生にも勧められたところでした。

そこは1年生から宿泊訓練があり、毎年同じ建物(敷地内)で行われるので数年経つ頃には生徒は慣れて自信を持つ話とか、雨の日にこそ傘を持ちながら支援学校外の道をみんなで歩き訓練するとか。

料理も普通学級より多く機会がある、体力がつくようにほぼ毎日体育がある、買い物訓練がある等、将来の自立に向けたカリキュラムで本当に素晴らしかったのです。

校舎もきれいで、棚などがゴチャゴチャ感がなくさすが!と。

ぜひここに通わせたい!と思ったのですが、問題が・・・。

そこは知的障害を伴わないと通えないところでした…。

教員の方に確認しましたが、ダメでした。

ただ息子は心の調子が悪いと数値が下がるタイプなので療育手帳は持っており、なんとかなるかも?と期待もありました。

けれどそこでは理科と社会も教科としては学習せず、生活科として理科のようなこともするが教科としてはない、と教員の方から聞き、息子は理科が好きなタイプでネックでした。

国語と算数は小学三年生までのことしかしないとも聞き、学年相当に学習できる息子をそこに通わせることのリスクを考えました。

また、親の会の保護者さんから聞いた話では、その支援学校に通っていた子で過去に一人だけ学習がおいついて地域の小学校に転校した子がいたとか。

もしそこに入学できたとしても、きっと日常的に関わっていたら知的に遅れがないことは分かります。

入ったら終わりではなく転校もあり得ると分かり断念しました。

ただ息子は不安定なタイプで年中さんの頃は上がったり下がったり、下がり続けたりしていたので^^;、度々この支援学校は私の頭の中に浮かんできました。

今でも、あそこは良かったなぁと心に残っています。

支援学校にマイナスなイメージを持っている方が多いと思いますが、行ってみないと分かりません。

選択肢になくても、とりあえず経験と思って見学してみてほしいです。

 

同じ頃に支援学級にも見学に行きました。

今息子が通っているところです。

正直いうと特に良いとは感じず、「評判が良い学区に引っ越そうかな」と考えました(笑)

行った日が曇りの日で支援級の教室があったところがとても暗く感じたんですよね・・・。

支援級の教室が小学校のど真ん中の良い場所にあるか、暗くて誰も近づかないような隔離されたところにあるかで、その学校が支援級にどれだけ力を注いでいるかの目安になると聞いていました。

うちの学校はその中間といったところでしょうか。

なので決定打に欠けました。

 

その頃には、支援が整っている学区の情報を得ていたのでそこにも見学に行きたかったのですが、学区外からの見学希望者が多すぎて学区内に住んでいる人しか見学を受け入れないと言われました。

 

年中さんの終わりに主治医に相談~進路決定~

年中さんの終わりごろには息子は園生活に慣れて落ち着き始めていました。

とても良い園だったので息子は集団行動ができていました。

息子の場合は安心できる場所だとみんなと変わらない行動が出来ます。

その様子を見て私たち親はちょっと迷いが出てきてしまいました。

「普通級でもいけるんじゃないか・・・?(゚Д゚;)」と。

私立小学校を見学に行ったりもしていましたが、決め手に欠けていたので、そのことも含めて主治医に聞いてみました。

すると、

主治医「普通級はないです。支援級一択!」

ですよね~。

主治医「息子君の場合は、慣れるのに1年かかります。」

た、確かに!

主治医「小学校の1年の流れって毎年同じなんですよ。行事もほぼ同じ。その一年の流れをまず経験して、不安をなくします。二年目からは同じことの繰り返しなので、何をするのか分からない不安というものが息子君になくなって余裕が出てきます。その頃に交流増やしていくのが良いです。」

とても納得のいくお話でした。

確かに、息子が園で落ち着いたのは年長から。(年中入園)

主治医「一年生でガッツリ支援級で流れを経験します。二年生で交流級に出始めて、少しずつ普通級の時間を増やしていき、二年生の後半は全交流できたら、三年生で普通級に移るのが理想です。たぶんそうなると思いますよ^^」

主治医「あとね、一年生って、息子君だけじゃなくて多くの子供が不安なんですよ。今までお母さんに園まで連れて行ってもらってたのが初めて一人で学校に行かないといけなくて、遊んでれば良かった園生活と違って学校では勉強しないといけないし。それに慣れるのってみんな大変で。けっこうわちゃわちゃしてるんです。その混乱の中に息子君がいると、息子君が混乱しちゃって色々誤学習しちゃう可能性があります。だから、落ち着いて慣れる支援級が良いかな^^」

ものすごく納得したので、夫と話し合って支援級に決めました!

 

ただ!

問題は、就学判定で「支援級」と言ってもらえるか…でした^^;

この主治医にも、療育の先生(支援学校が良いと言ってた)にも、年長の頃の息子は絶好調で「支援級判定出ないかも」と言われていました…。

それくらい息子は精神状態によって上下する子なのです…。

 

長くなったのでへ続きます・・・

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