発達障害児との関わり方〜基本編〜

発達
※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

はじめに

息子が2歳で自閉症スペクトラムと診断された時に、主治医から基本的な関わり方を教わりました。

今回は主治医に言われたことを中心に、発達障害児との基本的な関わり方を書いていきます。

関わり方を変えたらどうなるの?

息子は低年齢の頃、多動気味で親の言うことは聞かず、とても育てづらい子でした。

癇癪やパニック、自傷が毎日ありました。

必死に関わり方を徹底した結果、少しずつ効果を感じ5歳頃から負担が減り、8歳の今では育てやすい子になりました。

 

あくまで息子の場合ですが、癇癪パニック自傷はなくなり、今では親の言うことは割と素直に聞きます。

日々の大変さが激減して、親に余裕が出てきました。

 

肯定的な言葉を使う

まず、肯定的な言葉を使うということ。

つまり、否定的な言葉は使わない。

「ダメ」って言わない。

 

発達マイノリティーの子達は、漠然と「ダメ」と言われてもどうしたらいいかわからない。

どうしたらいいかわからないから、何度も同じことをしてしまう。

そしてお母さんは「何度言わせるの!」って悪循環。

 

当時の主治医からこう言われました。

「子供に分かるように言えてないお母さんが「ダメ」なんです。」

私がだめなの??と驚きました。

 

「ダメって言わずにどうやって子供に教えたらいいの!?」とも。

でも主治医はすぐに具体的な関わり方を教えてくれました。

 

× 走ったらダメ! → ◯ 歩こうね
× 喋っちゃダメ! → ◯ お口はチャック、または、お口を閉じようね
× 立っちゃダメ! → ◯ 座ろうね

 

とにかく「ダメ」「〜しない」という否定語をやめて、どうしたら良いか明確に指示する肯定的な言葉を使うように徹底的に指導されました。

 

やり始めはとても大変で、ついつい否定語を言ってしまって出来そうにないと思いましたが、そのうち慣れました。

怒る時は危険なことだけ

思い返すと、私は子供に注意することが多かったです。

他人から「お利口さんだね」と言われるような振る舞いでないと注意していたというか…。

今思えば、私の中の基準が高かったんです。

当たり前ですが、私は大人で、息子は幼児。

言うことをすぐに聞かない子だったと言うのもありますが、幼児だったらこのくらいはやる子いるよね、と他人が許容してくれることも私が注意をしていました。

私の中の基準を幼児に合わせられてなかったと今は分かります。

大人が見てどうか、じゃなくて、幼児としてその行動はどうなのか、という視点があったら良かったのですが。

 

そんな怒りっぽい私に対して、主治医は「極端なことを言うと、怒るのは命の危険があるだけでいい」と言いました。

え?お利口さんにしないでいいの?と目から鱗。

(あと、細かいことですが、怒るのは感情的、叱るのは理性的で、基本的には怒るのは良くなくて叱るようにと言われていました。話がややこしくなるので「怒る」で統一しています)

 

まあ、どんだけ怒ろうが当時の息子はお利口さんにするのは無理でしたが。

 

それからはいつもは注意したり怒っていた場面でグッと堪えて、出来るだけ肯定的な言葉を使ってどうすれば良いかを教え続けました。

怒るのは道路に向かって走ったりして危ない時や、重い物を投げたり親を叩いたりした時。

つまり息子が危険な時と、息子の周りが危険な時のみ。

地味に大変で辛かったです。

 

でもね

不必要に怒らず肯定語で話してたくさん褒めて育てると、

「お利口さんだね」と言われるような子に息子がなっていったんです。

不思議。

お利口さんだねと言われることをゴールにしているわけではないんですよ。今は。

でも、年長さんくらいから、よく言われるようになりました。

子どもが親から褒められて気持ちが満たされているとどんどん成長します。

もちろん園や学校などの環境は大事ですが、家庭で安心できない子が園や学校の働きかけだけで変わるとは思えません。

まずは家庭で安心できること、親から認められている実感をすること、そのために出来る事の一つが褒めることだと思います。

 

褒め方にもコツがある

私ね、息子が赤ちゃんの頃からたくさん褒めてたんですよ。

褒め方はね、

「すごいね」「できたね」

と、すごいことをした時や出来た時にたくさん褒めていました。

 

主治医曰く、これはダメ。

もう、私のやり方はダメなことばかりでした…。ショック。

 

出来たことや、すごいことだけを褒めていたら「出来ないとダメ」「すごいことをしないとダメ」と子供が思ってしまうのです。

そして、「出来ないことや、すごいことをやれそうにない事柄に対しては、挑戦しなくなる」と言われました。

まさに、息子は『自信がないことは挑戦しない子』でした。

(今は挑戦できるようになりました)

 

そこで主治医から言われたことは、

「そうそう、それでいいのよ」と褒めてあげることでした。

それって褒めてるの?と最初は疑問に思っていましたが、やってみて感じたのは、これを言うと息子が安心するのです。

 

でもね、当時2歳で本当に大変な時期で、それでいいのよなんて言う場面がないような息子だったんです!

それを主治医に言うと「二人羽織のように子供の後ろから手を添えて、親がテーブルを上手に拭きながら褒めればいいんです」と言われました。

「そうそう、それでいいのよ」と言いながら親が先導して成功体験をさせる。

 

でもね?

何度も「でもでも」と言うのは気が引けますが、

うちの子は、後ろから手も添えさせてくれないんですよ!

言われた通りに手を添えようとしたら全力で振り払われました。

息子は反り返りがひどく抱っこもできない子だったので、そういう身体的接触が苦手でした。

 

それを主治医に言うとね、「はぁ…」と深いため息をつき、

主治医「まだその段階ですか。」

と呆れられました!!

 

 

その時に抱きしめることを指導されました。

ちなみに抱きしめると反り返って嫌がる子だったのでまずは抱きしめることがしばらく課題でした。

抱きしめる指導については、こちらの記事参照→主治医からの指導~抱きしめられない息子~

 

今はとにかく抱きしめて、手を添えられるようにしなさいと。

手を添えられるようになったら、お手伝い(テーブルを拭く、洗濯物を畳む)を手を添えながらさせて、「そうそう、それでいいのよ」と褒めなさいと、指導されました。

 

「ありがとう」と褒める

「できたね」「すごい」と褒めるのではなく、「助かったよ」「ありがとう」と感謝して褒めるようにと主治医に言われました。

人の役に立てたという達成感が良いらしいです。

 

できたとかすごいって、英語だと主語が【You】ですよね。

助かったと感謝するって主語は【 I 】です。

【You】が主語になる褒め方だと、評価されているように感じるみたいです。

【I】が主語だと素直に受け入れられることが多いそうです。

よくアイメッセージだと伝わりやすいと言いますが、それですね。

 

褒め方の例

「ありがとう」

「助かったよ」

「お母さんはこれ(子供が書いた絵など)とっても好き」

 

主治医に言われた通りに、私はがんばりました。

すると、2・3歳の頃はブライドが高く扱いにくく言うことを聞かなかった息子が、少しずつ変わって、母親の言うことは信用してくれるようになり(今までは反発心しかなかった?)、言うことを聞くようになりました。(父親は褒めないので今でも反発しています)

それはそれで、次は母親へ自分の意見を言えるようにと言うのが課題になりましたが、一歩前進しました。

なんでもがんでも大変だった頃とは、親の余裕が違います。

子どもの切羽詰まった感じもなくなります。

 

私が良いと感じた褒め方

ここからは、主治医から言われたわけではないのですが、私が実際にやっていて良いと思った褒め方です。

出来たことではなく頑張ろうとした過程を褒める

いつも手を添えて成功体験をさせてあげられるわけではないので、親が思う褒めポイントのハードルを下げることが大事です。

褒め方の例

「頑張って最後まで取り組めたね」

「辛いのによく最後までがんばれたね」

 

と、最後まで頑張れたことを褒める。

『他の子供よりも上手にできること』を目標にしてしまうと、気づかないうちに『最後まで出来て当たり前』になってしまいます。

実は子供の素晴らしいところってたくさんあって、誉めるところってたくさんあるんですよね。

最後まで取り組めたことってすごいことだと思います。

たとえばそれが、「絵を描けた」ようなことであっても。

息子は絵を描くのが苦手で、上手く描けないから4歳くらいまで一切描かない子でした。

息子が最初に絵を描いたとき、最後まで描けたことが嬉しかったです。

最後まで取り組めたことを褒めてあげると、毎日何かしら褒めることができます。

 

最後まで取り組めなかった時の褒め方

発達マイノリティーだと、最後まで取り組めない、周りと同じことが出来ない時も多々あります。

そのような時も、褒めポイントはあります。

褒め方の例

・教室で皆と同じ課題が出来なかった場合は、

「お部屋に入られたね」

 

・課題を途中でやめた場合は、

「ここまでできたね。」

 

・過去の子供と今の子供を比べて出来たことを褒める

「前は○までだったのに、今回は△までできたね!がんばったね!」

 

他の子供と比べるのではなく、過去の息子と今と息子を比べました。

するとね、褒めるところしかないんです!!

たまに過去よりひどくなる部分もありますが(環境が合っていない場合ね)、基本的な関わり方を続けていると、息子はどんどん伸びて行きました。

自傷しなくなった、癇癪を起こさず落ち着いたことはもちろん、絵が最後まで描けたこともそうですし、折り紙を前よりも力強く折れたり、「ありがとう」って言えるようになったり、私が探し物をしている時に一緒に探してくれたり、全部褒めポイント。

「周りと比べる」「できて当たり前、やって当然」を捨てましょう!!

おわりに

まずは基本中の基本のことを書きました。

・否定しない。肯定的な言葉を使う。

・怒る時は危険な時だけで良い。

・出来たことだけを褒めない。低年齢の時は親が先導して成功体験をさせ「それでいいよ」と褒める。

・アイメッセージで褒める

これをするだけでもかなり違うと思います。

ただ、1回や2回やったくらいでは効果は出ません。

うちは何年か続けて効果が出ました。

あくまで息子に効果があった関わり方ですが、参考になれば幸いです。

どんな子供も、大人も、成長します。

 

コメント

スポンサーリンク