療育を勧められたらどうしたら良いの?

発達
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はじめに

我が家は療育に積極的に参加したのですが、療育先で出会った親御さんとお話していると「健診で親子教室を勧められた」「園の先生に療育へ行くように言われた」という方が多いです。

反対に普通の園では「健診や園で療育を勧められたり発達について気がかりがあると言われても療育に行かなかった」という親御さんもいました。

多くの親御さんが療育に行くことに抵抗を感じ、「勧められたら療育に行かないといけないの?」「行けば効果があるの?」「行かなかったらどうなるの?」と疑問を抱いているようです。

そのことについて私なりの意見を書きます。

療育に通う流れ

まず簡単に療育に通う流れを説明します。

自治体によって細かな違いがあり、私の経験や周りの療育ママの話を元に書いているので自治体や状況によって違いがあることをご了承ください。

1歳半健診で全体的に発達の遅れを指摘された場合・・・親子教室(母子同室)で集団で療育を受けることを勧められます。親子教室で発達が促されなかった場合は次の療育(母子分離)を勧められます。療育園の場合もあれば、民間の療育の場合もあります。
1歳半健診でことばの遅れのみの場合・・・経過観察で療育は勧められませんでした。
園で発達の遅れを指摘されたり、療育を勧められた場合・・・親が同意した場合は、園に通いながら平日週1回ほどは園を休み(または遅刻や早退し)療育へ行く「並行通園」をします。親が同意しない場合は療育に通わずそのまま園のみに通うか、私立の園であれば退園を促されることがあります。

 

指摘→(親子教室)→療育 という流れです。

 

 

 

勧められたら療育に通わなければいけないの?

強制かどうかでいえば強制ではありません。

親が拒否し続けたら通わないでいられます。

 

しかし子どもの成長だけを考えれば、通った方が良いと思います。

息子を診断した医師が「療育は発達障害がある子供の力を100%出せるようにするもの。定型児に療育をしたら120%力を出せるようになる。発達障害の子も、そうでない子にも療育的な関わりは良い。療育をして良い事はあっても悪い事はない」と言っていました。

実際に療育や訓練を受けて実感しています。

 

勧められなかったから、うちは療育が必要ないよね?

よく誤解している方がいますが、「療育を勧められない=療育が必要ない」わけではありません。

最近はどこの療育も空き待ちしているくらい療育に入れたい人が多く枠が空いていません。

 

昔は息子のような「高機能自閉症」や「アスペルガー」のような知的な遅れがないタイプは療育の対象ではありませんでしたが、今は対象が広がり知的に遅れがないタイプでも療育を受けられるようになりました。

知的な遅れがある子供も、昔は多くが見過ごされてきていましたが今は早い段階で発見し支援するようになっています。

「早期発見、早期療育」という言葉があり、早期に発見し療育をすると効果が大きいと聞きます。

 

しかし、療育施設が足りないこともあり、優先順位が高い子供から療育を受けられるのが現状です。

優先順位が低いと判断された子供は、本当は早期療育をした方が良くても空きがないので「様子見」とされてしまいます。

「療育を勧められない」ことは、「療育が必要がない」場合と、「療育が必要だけどもっと必要な子がいるから後回し」の場合があるのです。

 

ことばの遅れがあった息子の場合

私の息子はことばの遅れがあり「要観察」と母子手帳に書かれ「3か月後に連絡する」と保健師さんに言われましたが連絡は来ませんでした。

息子の場合は「高機能自閉症」または「アスペルガー」なので当時は発語が遅れていましたが、ことばの理解や指差しはしており優先順位が低かったのだと思います。(今はことばの遅れがありません)

心配な場合は自分から保健師さんや児童相談所に連絡をしなければなりません。

私の経験上、知的や身体の遅れが明確にあったり、自閉症のカナータイプの特性(人に全く興味を示さない、目が合わない)がある場合は低年齢で保健師さんに気付いてもらいやすいです。

しかし息子のように「ことばの遅れ」「多動」「衝動性」があるタイプは2・3歳では発達障害から来るものなのか成長の過程でそうなっているのか判断がつきにくく、療育は後回しにされると実感しています。

高機能自閉症やアスペルガータイプは定型児との見分けが難しく、スルーされることがあります。

例え療育が必要な子でも、です。

見過ごされ続けた結果、就学後に困り医療機関に受診し診断が下るケースをよく聞きます。

息子は幼い頃は言葉に遅れがありましたが、2歳から訓練や療育を受けているおかげか今ではことばの遅れはなく、むしろ発達検査で平均よりも高い数値です。

そして何よりも、療育や支援を受けてきたことにより親と息子の関係が良好になり、育てやすくなりました。

 

療育って効果はあるの?

大学の頃に「効果があるかないか」を調べるときは「同じ条件下で使用した場合と使用しなかった場合を実験し、たくさん結果を集めないと『本当に効果があったのか』は測れない」と学びました。

療育に効果があるかないかを調べるためには、一卵性双生児で同じ発達障害を持つ子供に対し一方は療育をし一方は療育をしないで育てて結果を測ることが必要になります。

まず、そのような実験に付き合う親は多くないでしょう。

私なら子供を実験台にはしたくないです。

さらに一卵性双生児でも発達障害(自閉症に限る)になる確率は50~80%と言われていて、データを集めることは難しいです。

 

なので私たちが「効果があったかどうか」を目にする機会はたいてい「療育をした」「療育をしなかった」人達の経験談になります。

「すっぱい葡萄」「甘いレモン」の話をご存知の方は多いと思いますが、「手に入らないものは、自分を納得させる理由をつけて諦める」というお話です。

そうすることによって自分の心を守るのです。

療育に行った人たちは「療育に行って良かったんだ。行ったからこれだけ成長できたんだ」と思う気持ちが強くなりますし、療育に行かなかった人たちは「療育に行かなくて良かったんだ。行かなくても成長したじゃないか」と思おうとします。

なので両者の話は平行線になることが多いです。

話を聞く側としては、上記の心理的な働きが起こることを知ったうえでいろんな意見を聞くことが大事です。

そして両方の話を吟味したうえでお子さんに療育を受けさせるか判断してほしいです。

その時はぜひ「子供にとって」どうすれば良いかを考えてあげてほしいです。

世間体や抵抗もあると思いますが、全部取っ払って「子供にはどうするのが良いか」をポイントにしてあげてください。

 

療育やOTの効果~息子の場合~

息子は知的な遅れがなかったために児童相談所で発達検査を受けた際に療育を勧められませんでしたが、私から療育を受けたいと希望し2歳から週1回2時間、公的な療育を受けることが出来ました。

病院では感覚統合と言う作業療法(OT)も2歳から月2回ほど始めました。

3~4歳のころは主治医の紹介で運よく訪問看護でOTを受けることが出来るようになり、病院での月2回のOTに加え、月8回の訪問看護OTも受けることができました。

同じ時期に障害児用のスイミングスクールに通いました。水に慣れることはもちろんでしたが、そこは手押し車や片足ケンケンなど身体の発達を促す運動を20分ほどしっかりやってくれるところで、相乗効果もあったのか息子の身体がどんどん良くなっていきました。

身体がグニャグニャしていたのが、お腹のあたりがしっかりと固定されるようになったのです。

母親以外には伝わらない不明瞭だった息子の言葉が他の人にも聞き取れる言葉になり始めました。(滑舌の悪さは5歳くらいまで続きます)

 

積極的に支援を求めて動いたので、アスペルガーにしては支援や訓練をたくさん受けた方だと思います。

そのおかげで、息子は驚くほど伸びました。

 

息子は2歳のころに「発達性協調運動障害」と診断されており、同年代に比べて『かなり不器用』だったのですが、今では『一般的な不器用』くらいまで成長しました。

今小学一年生(7歳)で文字は上手とは言えませんが、枠の中に文字が収まりますし、読める字を書きます。

 

幼い頃は体幹が弱く、走っていても上半身がグラグラ動いて遅かったのですが、年長さん(6歳)にもなると足が速い部類になっていて驚きました。

子どもの頃は運動が出来るというだけで市民権を得られるようで、足が速いとちょっとおかしいことを言っても多めに見てもらえる雰囲気がありました。

年長さんの頃は、鬼ごっこでお友達と楽しそうに遊んでいました。

 

言葉が不明瞭で滑舌が悪かったのですが、今は良くなりました。

 

こう書いていると効果が出るのは早そうに感じるかもしれませんが、2歳から療育や支援を受け始めて確かな効果を実感したのは5~6歳です。

少なくとも3年はかかりました。

もちろん6歳以前にも小さな変化や情緒的な成長は感じていましたが、親や専門家しか気づかないような些細な成長でした。

療育や訓練は、一朝一夕では効果はでません。

療育を始めて「1・2ヶ月経っても効果がないからやめようかな」と言っている人をよく見かけますが、1・2ヶ月で効果が出たらラッキーです。

子どもに対する療育的な関わりを親がする場合も、日常的に行うことで数年後効果が出ると思った方が良いでしょう。

療育に行かなかったらどうなるの?

勧められたけど親が拒否した場合、どうなるのかは誰にもわかりません。

十人十色で「必ずこうなる」とは誰も断言できないのです。

 

一般的には、合わない環境に置かれて怒られることが増え、自己肯定感が下がると言われています。

 

そして専門家が一番心配していることは二次障害です。

二次障害とは、発達障害の子が合わない環境で過ごし、不登校や吃音、神経症、強迫性障害、家庭内暴力、鬱、統合失調症、反抗性挑戦障害などの障害になることです。

 

二次障害になるとなかなか治りません。

元の状態に戻すことがとても大変で、年単位で時間がかかります。

その間は成長などとは言っていられない状況になります。

 

 

就学以降に困ったら療育に行けばいいよね?

もちろんそういう方もいますし、行かないよりも行った方が良いと思います。

しかし少なくとも私が住んだ2つの地域では就学前までは支援が手厚く、就学以降の支援はあまりありませんでした。

就学後だと療育の機会が極端に減るのです。

 

就学前は、児童発達支援という就学前の療育が受けられます。

公的な機関が行っているところや、民間のところもあります。

週1日や月1回で2時間程度しか入られないところもあれば、月に20日・一日4時間も入られる園のような療育もありました。

 

就学後は、放課後デイサービスというものになります。

小学校の後に行くデイサービスです。

公的なところは聞いたことがなく、どこも民間です。

余暇を過ごすだけのところが多く、まれに運動療育やSST(ソーシャルスキルトレーニング)をしてくれるところもあります。

いくつか見学に行きましたが、とても療育とは言えないところもありました。

むしろほとんどはただ余暇時間を過ごすだけのところでした。(たまにイベントはある)

私が見学したいくつかのデイは支援学校のお子さんが大半だったので、子供たちは支援学校で専門的な関わりや療育を受けていました。

そのため放課後は余暇時間をのんびり過ごすところで良いのだと思います。

 

公的な療育は就学前までという自治体が多いと思います。

 

主治医が言っていましたが、6歳までに療育をするととても効果が高いそうです。

そのためどこも公的な支援は就学前までなんだと言っていました。

 

就学後に子供の発達障害が分かった場合は、療育をしたくてもなかなかできないので、もし就学前に少しでも「あれ?」と思うのであれば療育をすることをおススメします。

 

子どもに障害があるように見えない

息子は初診5分ほどで「高機能自閉症」「自閉症スペクトラム」と診断されましたが(後に言葉の遅れがなくなりアスペルガータイプと分かりました)、私は息子に障害があると思ってはいませんでした。

「障害はない」と否定されるだろうと思い診察に行ったのです。

診断された後も「誤診じゃないか」「ヤブ医者なんじゃないか」と疑問を持っていました。

夫も「息子に障害があるわけない」と信じませんでした。

けれど主治医に言われた通り関わり方を変えると息子が変わっていき、育てやすくなったのです。

そして少しずつ障害を受け入れ始めました。

 

つい最近、データの整理をしていると、息子が2歳のころの動画が見つかりました。

当時は気にならなかったのですが、今見ると息子は身体の使い方がおかしく、歩き方もぎこちなく、表情も違和感がありました。

よく「横目」をして写真に写っていました。

表情もどことなく自閉症っぽいなと今なら思います。

でも当時は全く思わなかったので、不思議です。

いろんな経験をして私の目が肥えたのかもしれませんが、親だから客観的に見れなかったんだと思います。

 

当時、仲が良いママ友にも「全然普通」「療育通う必要ないと思うけど?」と言われて鵜呑みにしていましたが、社交辞令だったかもしれません。

もし今、私がママ友に「うちの子発達が怪しくて」と言われても絶対に同意しません。

「そう?」「分からないけど?」と全力でとぼけます。

なぜなら経験上、他人の子供の発達に口出しして良い事はないからです。

もしこのブログを読んでいる方で、「子供に違和感があるけど周りは大丈夫って言うし思い過ごしかも」と思っている方がいたら、周りの言うことは無視した方が良いです。

子供に何かあっても周りの人は責任をとってはくれません。

責任を取るのは親です。

私も「息子に障害がある」とは思っていませんでしたが「グレーかな」くらいは思っていましたし、息子を育てる中で違和感を感じることはありました。

母親の直感はとても大事です。

けれど否定したい気持ちや、生まれた時から子供を見ているので「子供ってこういうもの」と思ってしまいがちです。

息子なんか1歳のころによく物を並べていましたが、特性と知らなかった当時はSNSにアップして「きれいに並べておりこうさん♪」くらいのこと書いていました(恥)

知識がないと分からないものです。

そのため、客観的に見てくれる保健師さんや園の先生に療育を勧められたら行ってみると子供の成長に繋がると思います。

 

まとめ

・勧められたら絶対に療育に行かないといけないわけではありません。

・でも行っておいた方が後々に良いと思います。

・就学後は療育がほぼないです。(運が良ければ見つかるかも)

・私は療育の効果をとても感じています。

・療育に即効性はなく、効果を感じるのは何年かかかります。

・療育に行かなかった場合は、二次障害の心配があります。

・親は自分の子を客観的に見られないことがあるので、勧められたら行ってみると良いと思います。

以上です。

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