はじめに
息子は療育手帳を持っています。
けれど知的に遅れはないそうです。(検査者や主治医から)
なぜ取得できたのか考えてみました。
息子の様子
息子は幼い時から宇宙にハマりお月様を見るのが日課だったりと変わった子でした。
ことばの発達は遅く、コミュニケーションは下手。
でもお友達が大好きなのでいつも絡みに行っていました。(積極奇異で大変でした!)
療育手帳を取ろうと思った理由
初めて発達検査(K式)を受けたのは2歳の時。
発達を心配した時でした。
結果は90台で平均値でした。
その時の値では療育手帳は取れないので、検査者からは何も言われず療育に繋いでもらっただけでした。
次の年、ダメもとで療育手帳を申請するための発達検査を申し込みました。
療育手帳を取得したかった理由は、2・3歳の頃の息子は自傷と癇癪がひどく、けれど周りからは「育て方の問題」のように見られて理解が得られなかったからです。
このままの状態で成長しなければ、普通の園では無理で療育園に行かせることになるかもしれないと思い、その時に療育園に入れやすくするためでもありました。(結局手帳を取得しても数値が高すぎると門前払いされました)
この時すでに自閉症スペクトラムと診断は出ていましたが、診断名だけでは支援が得られないと感じていました。(普通の園のプレ保育にて)
どのくらいの数値だと療育手帳をもらえるのか?
息子に知的な遅れは感じませんでしたが、当時住んでいた自治体では新版K式で「91」までなら療育手帳を発行してもらえると聞いて挑戦しました。
通常は75以下なんですが、診断があったり、困り感が強い子は91以下だと手帳がとれたのです。
当時住んでいた場所は支援が進んでおり診断名がなくても療育に通える地域です。
手帳発行のラインは自治体によって大きく違うので要注意です。
今住んでいる地域は田中ビネーです。(そして以前の地域と数値も違いました)
75以下なら診断書はいらないところは同じでした。
「手帳を希望する」と意思表示をしないと76以上91以下でも発行してもらえない場合もあります。
基本的にお役所系はこちらからガンガン聞かないと教えてくれないと思った方が良いです。
無理と決めつけずにこちらから聞けば情報を教えてくれる場合が多いです。
教えたくないわけではなくて、トラブルを避けたくて言わない人が多いかもしれません。
当時息子が通っていた療育は高機能専門で、知的には気にならないけど行動が極端だったり激しかったりで困っている親御さんが多かったので手帳を取得したがっている人が多かったです。(抵抗がある人もいました)
皆さん困り感が強かったので、ガンガン聞いて動いて支援を得ていました。
なぜ息子が療育手帳を取得できたのか?
息子はウィスクという知能検査で100(平均)でした。
けれど2歳から療育手帳を持っています。
なぜ取得できたかと言うと、
・グレーゾーンでも取得できる地域だったから。
・息子の特性が強かったから。
・検査のタイミングが悪く状態が最悪だったから。
・言葉に遅れがあるタイプだったから。
傾向として、言葉に遅れがあるタイプは低年齢では発達検査が低く出やすいです。
なぜなら検査者の言葉を理解する力が弱く課題の意味が分からなかったり、頭では答えが分かっていても検査者に言葉で伝えられなかったりするからです。
タイミングの悪さ
息子はちょうど2歳児のプレ保育に通い始め、非常に状態が悪い時期に発達検査を受け、なんと75以下の結果がでました。
1年前にできた課題でも、「わからない」を連発したそうです。(苦笑)
(この時期、集団に入ったばかりで先生に怒られたりで自信を無くしていました)
この時期は癇癪も多く、検査を最後まで受けられるかも心配な状態でした。
「ギリギリの数値で診断を考慮してもらえば手帳とれるかも」なんて思っていましたが、診断がなくても手帳取得できました。
この時の検査者から「おそらく2年後の更新では数値が上がって手帳更新できないだろうから、そのつもりでいてください」と言われました。
しかし、その後も更新できてしまいました…。
なぜ更新できたのか?
更新が2年ごとだったので偶然にも
・2歳児(プレに入園→退園)
・4歳児(年中で入園)
・6歳児(小学校入学)
という、環境がガラッと変わる年の新学期に発達検査がありました。
息子は環境変化にとても弱く、慣れるまで半年~1年かかります。
そのため療育手帳更新の発達検査を受けることはいつも不安定で、極端に数値が悪くなります。
ちなみに更新がない年に、更新とは別の種類の発達検査を受けたことがありますが、環境が安定していると数値が高いです。
けれどこれが息子なんだなと。
多くの子供はどんな環境でもある程度の実力を出すことができるそうです。
息子は不安になりやすいので安心できる環境でないと実力を出せません。
そこが課題です。
親の気持ち
うちは療育手帳を取得したくて発達検査を受けましたが、それでも初めて手帳を取得した時はショックを受けました。
いろんな恩恵があるので手帳がもらえて嬉しい反面、なんだか気が重くなってしまいました。
手帳があろうとなかろうと目の前にいる息子が変わったわけではないのですが、公的に「障害児」になったんだと手帳の重みを感じました。
けれど実際に持ってみると、今のところデメリットは感じません。
別に「手帳を持ってる」と周りに言う必要はなく、周囲に言いたくなければ言わなくて良いと思います。(園や学校の先生には手続きの面で言う必要がありますが。)
どんなことに使っているか
科学館などで入館料無料
以前は近所に科学館があり、手帳があると無料になるので気軽に息子を連れて行っていました。
というのも小さい時の息子は途中で癇癪を起こす可能性があり、「癇癪を起こしたら即撤収」していたので、無料で入れる手帳はお金の心配がいらず助かったのです。
なんだったら入って5分で出てもいいので。
次は10分入って出る。
その次は20分、とスモールステップで進めるとそのうちに入れるようになったりします。
無理強いは禁物ですが
転勤族は重宝?
引っ越し先で療育に申し込むには診断書が必要だと引っ越し後に知って焦りました。
けれど療育手帳があれば診断書なしで療育に申し込みができました。
今住んでいる地域は遅れていて、診断書がないと療育が受けられません。
手帳を取得した時はそこまで考えてはいませんでしたが、手帳があると役所でも話がスムーズで助かりました。
転勤の場合、一カ月で引っ越しの準備を進めないといけなかったりするので少しの手間かもしれませんが大きかったです。
会社の年末調整で提出
税金で障碍者控除が受けられ、けっこうな金額が返ってきました。
メリットとデメリット
メリット
上記の入館料が安くなったり、手続きが楽だったり税金が返ってきたリすること。
そして災害時にすぐ子供のことを説明できる安心感も大きいです。
(必要があれば福祉避難所も検討しています。)
園で加配申請の時も手帳があると優先されると聞きました。
障碍者枠になりますが就職にも有利です。
どうしても障害者枠だとお給料が下がってしまうので、そこは子どもの様子によって考えたいと思います。
デメリット
デメリットについて考えたんですが、「親がショック」という気持ちの問題しか思いつきませんでした。
お金に不自由していない、園で加配はいらない、転勤族でもない、ショックが大きくて欲しくない、という方は個人的には見送っても良いと思います。
支援学校に入学するためや障碍者枠で働くために必要になった時に取得すれば良いでしょう。
さいごに
療育手帳はあれば助かりますが、親御さんの気持ちも大事です。
無理しないで良いと思います。
けれど取得したからといって子供の出来ることが減るわけではありません。
目の前の子供は何も変わりません。
我が家の場合は療育手帳でたくさん楽しい経験をさせてあげられて良かったと思っています。
以上です。
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