はじめに
息子はアスペルガーです。
話ができ勉強も問題ありませんが、息子と関わっていると「あれ?」という違和感がありました。
社会性が弱いというか、反応が独特というか…。
2歳の頃からその違和感はあったので、割と早くから家でソーシャルスキルトレーニングを取り入れていました。
専門的なものではありませんが、家庭でもできると思います。
ソーシャルスキルトレーニングとは
ソーシャルスキルトレーニングとは、社会で人と人が関わる技能を得るためのトレーニングです。
SSTと言われることもあります。
施設などで受ける場合は就学後からが多いようです。
以前住んでいた地域は支援が進んでいたのでSSTを受ける機関がありましたが、今住んでいる地域は支援が遅れていて聞いたことがありません。
地域によって受けられるかどうかは差があります。
我が家のSST
息子は小さい頃からやり取りに違和感があり、育児する上でとてもしんどかったので3歳ごろから家でSSTを取り入れました。
本や既製品を活用
① 写真で教える ソーシャルスキルアルバム
「自閉症のある子どもに教えるコミュニケーション、遊び、感情表現」と書かれているだけあって、息子にありがちな状況が多々なっていました。
聞くときの態度、あいさつ、会話を終わらせること、誰かを遊びに誘うこと、遊びに加わること、交代で遊ぶことなど、小学生くらいまでの関わり方が載っています。
写真で載っているので分かりやすいです。
ある状況での良いやり方と良くないやり方が載っています。
ただもともと著者がアメリカの方で、日本語に訳してあるので若干の違和感はあります。
日本ではない文化(友達に「こんにちは、元気?」と聞く、など)の場面があるので、親が選んで子供に教えると良いでしょう。
または購入したら親が書き換えて子供に教えるのも良いです。
「スペースインベーダーにならないようにしよう」(近づき過ぎない)はこの本にも、次で紹介する青年期編にも載っていてとても大事です。
特性でついつい近づき過ぎてしまうところがあるんですよね…。
② 写真で教えるソーシャルスキルアルバム 青年期編
青年期編なので写真の子供も高校生くらいで大きいです。
こちらで私が重要だと思うのが
・ふざけるのをいつやめるのかを知ること
・友達を独り占めしないこと
・相手への理解と共感を示すこと
・規則違反を警察のように取り締まってはいけません
・からかいに対処すること
などです。
息子に対して伝えたいことはこちらの本の方が載っていたので、まだ幼いときでしたが青年期編も購入しました。
よく見せていたのは3・4歳の頃で、効果ぎあったのかははっきりわかりませんが、今息子は先生に「友達関係は問題ない」と言われるくらいになりました。
③ ソーシャルスキルトレーニング絵カード 幼年版 場面の認知(危険回避と約束事)
ここから先は、SSTを教えていた知り合いに教えてもらったものです。
本ではなく紙芝居のような形状です。
やや高いですが、とても分かりやすいです。
幼稚園・保育園・こども園でのルールや、こうしたらこうなるという場面を分かりやすく描いています。
例えば、先生が紙芝居を読んでくれているときに、自分がよく見えないから前に行って立って見てしまうと後ろの子たちが見れなくなる、というようなことです。
発達マイノリティー(グレー児や未診断の子も含めて)は周りを見れないことが多いです。
絵で見ると分かりやすいですね。
他には給食は皆でいただきますをしてから食べるという集団生活のルールや、靴を靴箱に入れないでいると靴がなくなってしまい困ることになるといった場面が描かれています。
一つの事例につき2枚の絵で説明しています。
こんな事をしたら、こうなる、ということが分かりやすいです。
④ ソーシャルスキルトレーニング絵カードシリーズ 状況の認知絵カード2
こちらは小学生くらいを対象にしていると思います。
先程紹介した幼年版とは違い1枚の絵で説明しています。
例えば電話で「お母さんいますか」と聞かれたら普通は『代わってください』という意味ですが「はい、います」と言ってそのままにしてしまったり、先生に「友達を叩いてはいけません」と言われたら叩かずに噛むなど、言葉の意図を理解していないために起こる問題を取り上げています。
この場合はこういう意味で、こうするんだよと説明文が載っているので(幼年版も同じ)紙芝居のように読めば良いです。
その他に、私は購入していませんがこのシリーズを多く見つけたので載せておきます。
このシリーズはわかりやすくて、とても良いです!!
ソーシャルスキルトレーニング絵カード 幼年版
ソーシャルスキルトレーニング絵カード 状況の認知
ソーシャルスキルトレーニング絵カード 低学年
ソーシャルスキルトレーニング絵カード
絵を描いて教える
私は絵を描くのが苦ではないのでその都度描いて教えていました。
けれど日常的に描いていたらかなりの量になり、最終的に結構な負担でした。
子供の状況に合わせて説明できるという点では、必要な時は棒人間でいいのでササっと描いて説明するのは良いと思います。
けれど既製品に載っている事柄であれば、お金はかかりますが、上で紹介した本や絵カードをお勧めします。
園庭開放などで教える
絵カードで教えると同時に、ものすごく大変ですが、園庭開放などに敢えて行きその場で子供に教えるのも良いです。(親は大変なので元気があるときに)
例えば、息子は過剰適応タイプでルールを守ります。
けれど園にいる子供たちは意地悪だったりルールを守れない場合もあります。
そのくらいの年齢だとそれが普通の発達なのかもしれません。
そこで息子には、叩いてくる子にやめてと言う練習をさせました。(もちろん息子の身体を守りながら、親が見ていると相手の子に分からせるためにも)
息子はやり返さないし言い返せないのでよくターゲットにされていました。
あとは「貸してと言っても貸してくれない子にはもう一度言ったり、それでもダメなら他の遊具で遊ぶ」ことを教えたりしました。
大抵は親が一緒に言うと貸してくれましたが、たまに貸してくれない子もいました。
息子がどうしてもその遊具がいいとずっと待ってようやく順番が来て遊び始めたのに、次に並んだ子が「かーしーて!」と催促すると、息子はすぐに貸してしまう子でした。
これでストレスを感じなければそれでも良かったのですが、家に帰ってから泣き叫んでました。
これが息子の過剰適応の部分です。
なので息子には、「貸したくない時は『あとで』『使い終わったら』と言ってすぐに貸さなくても良いこと」をその場で教えました。
子供たちからしたら意地悪なお母さんに見えたかもしれませんが( ̄▽ ̄;)
園庭開放では私のように子供について回る親は少なく、近くに保護者がいなかったのでできたことかもしれません。(小心者です)
息子にはその場で言わないとなかなかできないことが多々あります。
自分や誰かを傷つけたりしない限りは、無理してルールを守りすぎなくていいですし、みんなちょっとズルしたりうまいことやっているのですが、息子はそれができませんでした。
最近はちょっとくらいズルしていいと教えることもあります。(もちろん周りに迷惑がかからない範囲で)
親が療育できる良いところは、子供に合わせてオーダーメイドで支援してあげられることです。
今後もソーシャルスキルトレーニングは必須です。
おわりに
まだまだうまくできないことはありますが、今のところ普通級の子たちには受け入れられて楽しそうに遊んでいます。
息子なりに大事なところは取り入れているのだと思います。
ソーシャルスキルトレーニングは一回しただけでは身につかないと思います。
何度も伝えたり、話し合ったり、ロールプレイして、子供が同じような状況にあって必要と思ったときにようやく身につきます。
すぐできなくて当たり前なので、長い目で見てあげてください。
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