はじめに
前記事で進路希望は決まったものの、希望通りの進路先を確保できる可能性が低くそのために何をしたか書きます。
進路を選ぶ時の大前提
こどもにとってどの環境が良いか、という視点を持つことが大事です。
就学が人生の終着駅ではありません。
子どもの人生は何十年も続いて行くわけで、20年後の子供にとって良いのはどの進路かを考えましょう。
問題行動が出ているのに診断に踏み切らない親御さん、すでに診断されていて普通級だとしんどいと予想できるが支援級を選ばない親御さんが、「就職に影響がある」「結婚できない」から診断を受けないし支援級には行かせないと言うのを何度も聞いたことがあります。
けれどここで私が思うのは、小学校で支援級に行ってようが行ってなかろうが、就職の時期に働けるだけの能力が備わっているかがポイントだということです。
無理に普通級で過ごし続けて、二次障害になって引きこもるのはよくある話です。
そうなるともう、親が何をしようがどうしようもありません。
年齢が上がるにつれて支援は難しくなるからです。
子どもが成人し就職できたけど二次障害になり退職して引きこもり、そこで初めて発達障害だと分かっても遅いのです。(身近にこのタイプがいて経験済み)
だから親御さんにはぜひ、子供にとってどの進路が良いのかという視点で考えてほしいのです。
私自身、マイノリティーなことが多いのですが今回もそうで、普通級>支援学級>支援学校と考える親御さんが多い中、私は支援学校>支援学級>普通級だと考えています。
そして支援内容を吟味して、私の息子は支援学級が合っているのではと思いました。
就学相談とは
どうやって進路が決まるかというと、年長児の春から秋までに就学相談というものを受けます。
そして1・2か月後に結果がでます。
地域によって違いはありますが、私の地域では子供の園に教育委員会の方が2人来て一人は親へ聞き取り、もう一人は子どもの行動観察を1時間ほどしました。
私は子どもが年長になりたての4月に申し込みましたが、就学相談の日程は9月頃でした。
人によっては5月に就学相談を受けた人もいたので、個人差があります。
就学「相談」とあるので、てっきり親身に相談に乗ってもらえるかと思いきや、内容は「相談」ではありませんでした。
就学前の「聞き取り」でした。
我が家はすでに希望が決まっていたのでスムーズでしたが、相談できると思って挑んだママ友は戸惑っていました。
就学相談の機会はほとんどの場合は一度きりで、1~2時間です。
赤ちゃんの頃からの子どもの様子や困り感を聞かれて話していたらあっという間に過ぎる時間です。
そして最後に「どの進路を希望しますか?」と聞かれます^^;
戸惑いますよね。
ご存知の方も多いと思いますが、支援が少ない希望は通りやすいです。
よほど困難でない限りは就学相談を受けなければ自動的に普通級(年長12月頃にある就学前診断で指摘されることはありますが)です。
支援が手厚い方への希望はお金がかかるので審査が厳しく、重度の子が普通級に行く事より、軽度の子が支援学校に行く事の方が難しいです。
そしてたいていの場合、親御さんは支援が少ない方を希望するそうで、親御さんの進路が通りやすいのです。
仮に就学相談で支援学級判定が出ても親が希望すれば普通級に行けますが、もし普通級判定が出たら支援学級に行くことは困難です。
知り合いに支援学校希望だったのに支援学級判定が出た方がいて、その判定を覆すのはとても大変だったそうです。
ですので知っておいてほしいのは、就学相談では相談はできないこと。
希望はあらかじめ決めておいた方が良い事。
より少ない支援だと判定を得やすい事です。
就学相談で支援学級判定を得るためにした事
息子は年中児で受けた知能検査WISC-Ⅳ(ウィスク4)で100ほどあり、話や意思疎通もできて年長の頃は集団生活に全く問題がない子でした。
けれどそれは園の環境と療育の支援が素晴らしかったためで、本来は環境が合わないとパニックを起こし激しく自傷する振れ幅の大きい子です。
園の先生、療育の先生、主治医、皆が出来る事なら支援級が良いが就学判定で普通級になるかもしれないと言っていました。(年中の頃は療育の先生から支援学校を推されていた子です^^;)
そこで、先輩ママさんに就学について色々教えていただき、次のような準備をしました。
①発達検査の結果
②主治医の意見書
③就学相談の前に園長先生や担任の先生に支援級希望と伝えて、もし就学相談員の方から意見を聞かれたら支援級を推してほしいと伝えた
④就学相談の当日に夫も同席してもらった
①・・・発達検査の結果は、おそらく就学相談を受ける子供は全員必要です。支援級の場合に知的クラスか情緒クラスかの振り分けのためです。
②・・・息子のように支援が受けづらいタイプの子供は持参した方が良いです。ひどめにと言っては何ですが、一度見ただけでは伝わりづらい本来の息子の特性をしっかりと書いて頂きました。
③・・・園長先生が強く支援級を推してくださったようで、その影響は大きいです。ある支援級希望のママ友は、園の先生が「普通級でいけると思う」と就学相談員へ言ったことが決定打になり普通級判定になったそうです。身近な先生のご意見は貴重です。
④・・・これで結果が変わったかは分かりませんが、夫婦で意見が一致していること、支援級への強い希望があることは伝わったと思います。
そして、無事に支援級判定を頂きました。
ずっと心配していたのでホッとしました。
おわりに
年々支援を希望する子供が増え、最近は支援を希望しても通らないことが増えてきたと地域の親の会で教えてもらいました。
支援級に在籍するには診断書も必要でした。(情緒クラスだからかもしれませんが)
ですが地域によっては、グレー児でも親の希望があれば支援級に在籍できるようです。
そのような地域だと支援が受けやすくて良いですよね。
最近はどんどんグレー児や発達障害児が増えており、これからの時代は支援級にいたからって差別を受けるような時代ではないと思います。
そういう社会に私たちがしていきたいですね。
発達マイノリティーの親御さんには子どもに合った環境を選んでいってほしいです。
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