はじめに
息子は2歳で自閉症スペクトラムと診断されました。
詳しい流れはこちら→ある日突然「障害児」になった息子 ①
初診で医師から指摘された「気になる行動」は意外なものでした。
注意:あくまで息子の話であり、当てはまるお子さんがすべて障害があるとは限りません。ですが気になる方は専門家へ相談されることをお勧めします。
息子の様子
2歳の頃の息子は多動でした。
親が声かけしても気になるものがあると止まらずにズンズン進む子でした。
「言われるとしたらADHDのグレーかな?」と思っていました。
初診の日はいつもより少し大人しいくらいで、診察室にあったおもちゃでずっと遊んでいました。
息子の気になるところは?
診察室に入って5分ほどで「自閉症スペクトラム(高機能自閉症)」と診断されたのですが、主治医の言う根拠の一つが
「診察室に入ってきたときにお母さんよりも先に入室してきて勝手におもちゃで遊び始めた。
普通は初めての場所ではお母さんより先に行かない。
お母さんのそばを離れない。
勝手におもちゃで遊ばない。」でした。
初めての子育てなので「そ、そうなの??」と疑問に思ったのでした。
今考えれば納得なんですがね。
受け入れられなくて・・・
初めは主治医の言うことを信じられなくて、息子の診断も受け入れられませんでした。
多動で衝動的なところ以外の息子の行動は一般的なものだと思っていましたし、「このくらいみんなやっている」と思っていました。
でもかなり主治医に批判的な目で他の子をチェックしても、公共の遊び場で幼い定型児を見ていると、親より先に新しい場所に行く子はいなかったのです。
初めての場所では親にしがみついて様子を見て、安全と分かって親から離れるまで時間がかかっていました。
主治医曰く、低年齢でも2歳を過ぎれば誰のものか分かるそうです。
許可されていないのに人の物に勝手に触る子もいません。
親がいいよと言ったり態度で許可を示してから遊ぶ子、アイコンタクトする子、親の様子をしっかり見て動く子、息子にはない行動を目の当たりにしたのです。
(たまに親より先に行ったり許可がなくても物に触ったりする子も見かけますが、息子のお仲間なのかな?と思う行動や様子があるのでそのような子は除外しています。)
初めての場所は危険かもしれない、親が行った場所・許可した場所なら安心して行ける、と本能で分かっているのかもしれませんね。
それってとても高度なことだと思うのですが、多くの子供たちは当たり前にやってしまうのでいつも感心します。
息子を育てていると、人間が本来持って生まれてくるはずのものを忘れてきちゃったのかな?と思うことがしばしばあります。
親との愛着を形成する行動だったり、信頼や安心といったとても大事なものを。
今考えれば息子は愛着形成が不完全だったんだと思います。
それはまた別の機会に書くとして、主治医に指摘された「親より先に初めての場所に行ったこと」は予想外でした。
予めネットで検索していましたが、ネットでは書かれていない点でした。
専門家に聞いて初めて分かったこと
おそらく主治医は「自他の区別がついていないこと」を指摘していたのだと思います。
発達障害の子によくあると聞きます。
これが出来ていないとどうなるか。
・おもちゃの貸し借りができない
・人の物をいきなり奪う・壊す
・お店の物に勝手で触る
・人の鞄を勝手に開ける
など困った行動になります。
低年齢だと定型児でもある行動ですが、成長するとなくなります。
精神的な面でも自他の区別がつかず
・自分の考えを他人も分かっていると思い込む
→ 理解されていないと分からず、癇癪や暴言が起こる
息子はこの状態だったんだと思います。(癇癪がひどかったです)
でもこれって、大人でもいますよね。
「なんで分からないんだよ!」って、伝えてもいないのにキレる人・・・。
「聞いてないから」と言ったら「普通分かるだろ!」って言う人・・・。
社会人でも既婚者でも、こういう人は特性ありだと思っています。
特性に気付かず成人して困った大人になっているパターンは多いです。
息子は今も状態が悪いと癇癪があるので、自他の区別がついているか確信はありませんが、「ぼくは、こう思ったんだよ」と言ってくれるようになったので少しずつ区別がついてきたのだと思います。
母親への八つ当たりもなくなりました。
自他の区別をつけることは、医師に言われたことではないのでまた別の機会に書きます。
まとめ
・医師に指摘されたのは「自他の区別がついていない」こと
・自他の区別がついていないと様々な問題が起こる
・精神的に自他の区別がつかない場合もある
以上です。
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